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  • 2014/07/10

トヨタIT開発センターが語るクルマIT化の最新動向、積極化する開発者の囲い込みと育成

クルマのIT化が進展している。車載器のオープン化やスマホ連携、そして走行データなどを集約してそれを自動車の安全性や利便性の向上につなげる動きが本格化している。トヨタの子会社で、クルマの先進IT領域での研究開発などを手がけるトヨタIT開発センターの円満字大輔氏が、5月に開催された「Data Business for Connected Vehicles Japan 2014(Telematics Update主催)」に登壇し、なぜ自動車業界がこれらのトピックスに注目しているのか、そしてIT業界と自動車業界の接点や、今後取り組むべき方向性はどうなっていくのかについて語った。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

クルマのオープンアキテクチャにおける3つの分類と代表的な事例

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トヨタIT開発センター
開発・調査部
グループリーダー
円満字 大輔 氏
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 円満字氏は冒頭、クルマのオープンアキテクチャに関わる部分を「車載機API」「車載機とスマホ連携API」「センターAPI」の3つに分けて説明した。

 まず「車載機API」は、車載OSを開放して、そこにAPIという形のインターフェイスを実装するための手法だ。2つ目の「車載機とスマホ連携API」は特に欧州で注目を浴びているもので、スマホをLTEなどで接続し、端末アプリをクルマで利用することができるというもの。3つ目の「センターAPI」は、クルマから収集したデータを、通信モジュール経由でカーメーカーのデータセンタに送る際に役立つ。それらのデータは自動車メーカー以外の分野でも広く活用される。

 「車載機API」の具体的な事例には「GM Infotainment Apps」がある。こちらはナビシステムのようなヘッドユニット部を解放していく方向だ。「HTML5/Javascriptベースのフレームワーク上で動くサードパーティ製アプリを、GMのセンター側からダウンロードできるようにしたり、USBメモリを車載ユニットに接続してアプリを適用する動きがある」(円満字氏)。

 クルマ・データからは一般的な位置・加速度のほか、エンジン、社内外温度、ブレーキ踏込みやアクセル開度などのデータも取れる。同様の取り組みはルノーでも行われている。GMの「Renault R-Link」は、Android OSを利用し、独自アプリマーケットからアプリケーションをダウンロードすることも可能だ。

 次に「車載機とスマホ連携API」で有名なものとして挙げられるのが、フォードの「SYNC」だ。「Pandra」という米音楽ストリーミングサービスをスマホ側で受けて、そこから音楽データをSYNCに送ってスピーカに流すといったことができる。

 少し変わっているのはフォードの「Open XC」という試みだ。こちらはクルマに積まれたCANバスのOBDⅡポートから生のCANデータを取得し、それをUSB経由で車内のAndroidアプリなどで利用する。「このように通信を利用した車内ITサービスには、いくつかの種類がある。ただし、まだ黎明期ということもあり、これといった主流が登場していないのが現状だ」(円満字氏)という。

 「センターAPI」の事例としては、トヨタ自身がクルマの速度や位置などを吸い上げ、VICSより詳しい予測情報を提供している。またホンダの「Safety Map」も有名だ。ユーザーに対して安全情報を知らせる仕組みで、インターナビ情報センターから急ブレーキや事故多発地点などの注意を喚起する。GMの車載テレマティクスサービス「OnStar」もデータを外部に提供する。例としてOnStarのオープンAPIプログラムで開発された個人間のカーシェアリングサービスがある。これはRelayRides社のWebサイトから、OnStar搭載車オーナーがクルマを貸出し、利用者が予約して利用できるサービスだ。「レンタル料はオーナーが決め、その60%を受け取れる。OnStar装着車であれば、キーがなくてもスマホでドアの開閉ができる」(円満字氏)。

IT企業のクルマへの進出
1996GMのテレマティクスサービス「OnStar」開始
1999BMWのテレマティクスサービス「BMW Assit」開始
2002トヨタのテレマティクスサービス「G-BOOK」開始
2005iPod等ポータブルプレイヤが社内接続開始、Googleマップ登場
2007モバイル版Googleマップ登場
2008携帯電話経由での安全安心サービス提供開始(フォード)、グーグル交通情報提供開始
2009ユーザーからの交通関連情報を共有するスマホナビ「Waze」登場、ナビタイムスマホ版登場
2010スマホアプリと車載器の統合開始、インターネットラジオ等提供(フォード、続いてBMW、メルセデスなど(
2012グーグルが自動運転技術を開始し、無事故で50万キロメートル弱の走行に成功
2013スマホ・車載器連携アプリ作成、クルマデータ活用のためのプログラム一般公開(GM、フォード)
(出典:円満字氏講演資料,2014)

【次ページ】自動車業界はなぜIT化を積極的に推進しているのか

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