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  • 2015/01/07 掲載

マザーズ上場のU-NEXT 宇野康秀氏が語るUSENの失敗「1000億で人のつながりを買った」

起業家の持つ失敗力とは何か

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事業の失敗によって数百億の損失を被り、民事再生法適用や事業譲渡といった苦境から這いあがってきた起業家たちがいる。2014年12月に東証マザーズに上場したU-NEXT代表取締役社長でUSEN取締役会長の宇野 康秀氏、GMOインターネットの熊谷 正寿氏、SYホールディングスの杉本 宏之氏だ。新経済連盟主催の「失敗力カンファレンス」に登壇した彼らが語るのは、これまで幾度となく語られてきた成功体験ではなく、自身の失敗から得られた学びだった。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

ベンチャー企業経営に重要な「失敗力」とは何か

photo
U-NEXT
代表取締役社長
宇野 康秀氏
 冒頭でモデレーターの慶應義塾大学 岩本 隆氏は「失敗力」という言葉について定義した。

 同氏によれば、失敗力とは「失敗を自身のアセットとし、失敗により蓄積したアセットをレバレッジして、将来の成功につなげる力」であるという。失敗で蓄積したアセット(資産)に対するリターン(ROA)をいかに高めるのかが、成長企業の経営には重要というわけだ。

 同氏はセッションの議論を2つに絞って、登壇者に問いかけた。

 まず1つ目の議論のテーマは「マインドマネジメント」だ。大きな失敗によってマイナスに落ちたとき、自身の気持ちをどう奮い起こし、維持してきたのだろうか。

USENでの失敗から復活を遂げたU-NEXT 宇野氏

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 2014年12月に東証マザーズに上場したU-NEXTの宇野 康秀氏は、1989年6月、同氏が25歳のときに人材派遣のインテリジェンスを起業。1998年には父の死を機に、USENも同時に引き継ぐことになった。その時点でUSENは過去の未払い負債もあり、すぐにでも債務超過に陥りそうだったそうだ。

 その後の2年間で株式上場を果たして資金を調達できたものの、大型M&Aを繰り返していた頃にリーマンショックが起こる。子会社を含めて500億以上の損失が2年ほど続き、計1000億円を超える損失を出すことに。こうした状況ではリファイナンスも組めず、債務不履行寸前まで追い込まれた。

 銀行からは法的整理に近い話も出て、葛藤のなかで身を切る思いで赤字部門のリストラを断行し、ダウンサイジングを進めた。宇野氏はUSENの状況について「現在は借入金もピークから10分の1ぐらいになり、あと2年ぐらいすれば返済できるぐらいまで回復した」と説明した宇野氏は、当時について以下のように振り返る。

「会社を整理していく際に、社員を切らなければならないことはもちろん辛いが、ちゃんとした道のりを見つけて幸福になってもらえば、それでもよいと思った。辛いのは、実は自分のプライドだけかもしれないとも思った。その一方で商売人の家に生まれ以上は、借りたお金は絶対に返す、そのプライドだけは持っていた。あとは体力がなければどうしようもない。皇居を走りながら体力をつけ、トライアスロンを始めたりした。自分のプライドを見つめ直すことが、マインドマネジメントになった」と当時の心境を打ち明けた。

【次ページ】危機に直面して、1000億円で人とのつながりを買った

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