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  • 2012/06/08

森川博之東大教授:M2Mはグーグルやアマゾンへの対抗軸になる。求められるのは技術開発での「ストーリー」

ゼタバイト級のM2Mデータを戦略的に活用するには

最近急速に語られることが増えたビッグデータの本質は、単にWeb上の膨大なデータを処理することではない。あらゆる機器やモノがネットワークでつながり、そのデータを企業経営や社会問題の解決にいかに活用していくかが重要だ。この視点から、M2M(Machine to Machine)ネットワークが次世代のビッグデータを支える技術のひとつとして、今改めて注目されている。M2Mでいま求められているものは何か?東京大学 先端技術研究センター 教授で、新世代M2Mコンソーシアムの会長をつとめる森川博之氏が語った。

技術開発でも必要なのは“ストーリー”

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東京大学
先端科学技術研究センター教授
新世代M2Mコンソーシアム 会長
森川 博之氏
 M2Mでいま必要なのは、技術開発戦略における「ストーリー」だ──東京大学 先端技術研究センター 教授で、新世代M2Mコンソーシアムの会長をつとめる森川博之氏が、5月9日に開催されたワイヤレスM2M展の特別講演で語った(参考リンク:M2Mとは何か)。

「一橋大学の楠木建教授は『ストーリーとしての競争戦略』の中で、優れた競争戦略の条件として、面白いストーリーの有無の重要性を説いています。私は、同じことが技術開発にもいえると思っています。とくに日本のような成熟社会においてこそ、技術にも戦略にもストーリー性が求められると考えます。」(森川氏)

 経済や売上が右肩上がりの国や企業においては、明確なストーリーがなくても国民や社員の士気を保つことが可能だった。しかし、経済が成熟し安定している、もしくは衰退していくような状態にあっては、たとえば「いまよりあなたの生活を豊かに」といった背景にあるメッセージや、それを導くストーリーの有無がモチベーションの原動力となる。成長期を過ぎ、成熟局面を迎えている現在の日本では、企業の本当の戦略力が、いままさに試されているという。

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 また現代は、技術革新も飽和状態にあり、それが研究開発の軸に変化をもたらしている。たとえば商品は性能および品質が重視される時代から、魅力や付加価値が評価される時代になってきた。ものごとの指標も定量的な基準より、定性的な分析へのシフトが生まれている。システムありきの設計から、プラットフォームをどのように構築するかをまず考えるようになっている。

 森川氏は、自身が研究するM2Mについても、いかに(How)M2Mを実現するかではなく、M2Mで何を(What)を実現するのかというストーリーを第一に考えて取り組んでいるという。

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M2Mの構成要素
(出典:森川博之氏講演資料,2012)
 では実際に、M2Mで何ができるのか。M2Mのプレーヤーは、PCやWebの世界だけに留まらず、都市、医療、交通、農業、エネルギー、防災と広範にわたる。そのため、できることやそのストーリーについても、非常に多様なものになるという。

 こうしたM2Mを構成する要素として、膨大なデータを生むM2Mデバイス群がある。これらのデバイスは自販機、エレベータ、自動車、情報機器、家電製品、制御システム、カメラやセンサー類、スマートメーター、果てはペットのマイクロチップまでが該当する。

 これらのデバイスと通信するM2Mネットワークも3G/LTEといったモバイル網、インターネット、PLC、赤外線や省電力無線などの近距離通信とさまざまである。こうして集められたデータを処理する適用業務も当然あらゆる分野において広がっていく。

【次ページ】M2Mはグーグルやアマゾンに対抗する軸になる

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