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  • 2016/02/22 掲載

DMM.com × PwCの意外過ぎるロボット事業提携、法人向けの新市場開拓なるか

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IoT時代、最終的な端末になるのは「ロボット」だ――。プライスウォーターハウスクーパース(以下、PwC)とDMM.comが、ロボット産業の成長を加速させるために事業提携することを発表した。世界157カ国、20万人以上のスタッフを擁するグローバル・コンサルティングファームと、幅広いコンテンツ事業を国内で展開するDMM.comの組み合わせを意外に感じられる読者も多いかもしれない。しかし、そこにはロボット業界を活性化させようとする両社のねらいがあった。
(聞き手はライター 井上 猛雄)


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DMM.com ロボット事業部 事業部長 岡本康広氏

PwCとDMM.comのロボット事業提携はSNSでの繋がりから

 これまでも産業用ロボット、二足歩行ロボット、玩具用ロボット、ネットワークロボットなど、何度かロボットが脚光を浴びることがあった。しかし、ビジネス的な観点からみると、産業用ロボットや掃除ロボット以外は成功していないのが実情だろう。とはいえ近年になって、ロボット産業界隈で新しいビジネスの萌芽も見られるようになった。特にこの1年、コミュニケーション系を中心にしたロボットブームが再燃している。

「最近のブームで感じる点は、よりユーザーのニーズにマッチしたロボットが登場してきたことです。そのバックグラウンドには人工知能(AI)の進化があります。従来はハードウェアのみに注力するベンダーが多かったのですが、少し前に簡易的なコミュニケーションロボットが出回り、ようやくAIを本格的に利用したロボットも利用されるようになってきました」と語るのは、DMM.com ロボット事業部 事業部長 岡本 康広氏だ。

 DMM.comは昨年、DMM.make ROBOTSを設立し、ロボットビジネスに参入。「ロボットキャリア」という位置づけで、ロボット開発ベンダーが製品化したユニークな商品を販売している。同社は現在、コミュニケーションロボット(Palmi、BOCCO、Robi組立代行バージョン)や、エンタメ/ホビーロボット(プリメイドAI、PLEN.D)を扱うほか、専業ベンダーと共創プログラムで提携し、開発支援と市場の掘り起しを進めているところだ。

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DMM.make ROBOTSが扱う5種類のロボット

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 ただし、ロボット市場が本当に一般世間まで浸透していくには、まだまだ時間がかかりそうだ。岡本氏は「我々が扱うロボットについては、Webサイトを見て購入を検討する中高年ユーザーが多いのです。コミュニケーションロボットは、高齢者の話相手としてのニーズもあります。ロボットには新しいAV機器のような感覚があり、衝動買いではなく、慎重に時間をかけて考えて、ようやく導入に至るケースが主流になっています」と説明する。

 これまでDMM.make ROBOTSは、コンシューマー向けを中心にロボット事業を展開してきた。プロモーション販売や、プラットフォーマーとして集積したロボットを提供していく仕組みが、同社の大きな強みだった。というのも、コミュニケーションロボットを含め、サービスロボット専業ベンダーは、ほとんどがベンチャーで大手企業は少ない。そのため販売ルートが開拓できなかったり、ユーザーへのサポートまで手が回らなかったからだ。

「販売支援やサポートなどは、DMM.make ROBOTSでもお手伝いできますが、経営面や量産化に関わる資金面の調達などは、我々も支援することが難しい分野でした。さらにロボットを世の中に普及させるためには、コンシューマーへのアプローチだけでなく、法人ユースからコンシューマーに展開するという流れも必要だと考えており、これが課題の1つになっていました」(岡本氏)

 そんな課題を抱えるなかで、SNS上でロボットの話題で盛り上がったあるメンバーから岡本氏に提案があったという。それが、今回の提携先である大手コンサルティングファームのPwCだった。DMM.make ROBOTSにとっては晴天の霹靂であり、まさに渡りに船の話であったという。

 岡本氏は「もし提携するならば、この会社しかないと思いました。PwCが企業の成長をドライブしてくれる。これによりベンチャーのメリットも増えると考えました。我々が個人向けを担当し、PwCが法人向けを担当することで、全方位で動けるようになります。最適な役割分担ができ、我々もPwCもベンチャーもWin-Winの関係が築けることから、とんとん拍子で話がまとまっていきました」と当時を振り返る。

【次ページ】IoT時代、最終的な端末は「ロボット」だ

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