- 2012/04/24 掲載
IBM、日本海事協会、IHI子会社、船内機器のセンサーデータ分析で早期異常発見できるシステム
現在、一部の先進的企業で船舶データの分析技術が活用されている事例はあるが、多くの船舶に適用するためには更なる分析手法の確立と特別な分析スキルを持つ技術者でなくても利用可能とするための標準化や効率化が必要になるという。
今回の共同研究では、船内機器のセンサーデータを分析することにより、機器の性能診断や故障の未然防止を図るとともに、機器の状態に基づいたメンテナンス期間の延伸を行い、船舶の安全な運航とメンテナンスコスト低減の両立を目指すという。
本研究では、IHIMUグループが有する船舶情報管理システムでの経験とセンサーデータや保守履歴といった実際のデータを基に、異常事象の発生状況や機器の性能の変化を解析して新たなデータ分析手法を開発し、実用的なモニタリングシステムの設計を行う。IHIMUはこの共同研究の成果を利用し、より高度で信頼性の高い機器の予防保全システムを船舶に提供するという。
日本海事協会は、船舶および海洋構造物の検査の高度化を支援することを目的に、これまでの検査に関する知見を本研究に反映するだけではなく、将来の利用を見据えた形で本研究へ参画していく。
日本IBMは、船舶のセンサーデータの動的なふるまいに対応するため、IBM東京基礎研究所が開発した新しい異常検知技術の有用性の検証を行う。この技術では、観測値に含まれるノイズの影響を除去しながら、変数同士の隠れた関係を自動で見出し、それに基づいて各センサー値の異常度を算出する。
なお、IHIMUは昨年4月に発足したライフサイクル事業部において、海外グループ会社を含めたグローバルで一貫した船舶のライフサイクルサポートサービスを展開しており、本研究はより高度なサービスを提供するための取り組みと位置付ける。同社は10月にJFE子会社などと合併して新会社「ジャパンマリンユナイテッド」となる。
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