- 2012/05/24 掲載
「スマート店舗」を実現するBEMSの実証実験、富士電機やデンソー、ファミマなど6社
店舗内機器のエネルギー使用を最適化する店舗コントローラー、省エネ制御可能な空調などの店舗内機器、店舗用のエネルギーの蓄積と放出を制御する蓄電BEMSコントローラー、蓄電池、直流(DC)・交流(AC)の変換および電圧の変換を行う各種パワーコンディショナーなどからなるシステム(BEMS)の検証を行う。
具体的には、CEMSとの連携で、需給調整、季節や時間帯に応じて電気料金の単価を変動する仕組みであるダイナミックプライシングと連動した運転を行うとともに、電力網における需要に応答して需要家側の電力消費を調整するデマンドレスポンスによるピークシフト/カットなどにより、地域全体のエネルギーの最適化を図る制御を行う。

2つ目は、店舗内のエネルギー使用の最適制御。店舗コントローラーによって、過去の電力使用量や気象予報などから空調や照明、ショーケースなど、店舗内設備のエネルギー需要を予測したり、気温、日射量などから、店舗に設置した太陽光発電設備(PV)の発電量を予測したり、受電コスト最小化を実現する蓄電池の充放電計画を策定する。
3つ目は、エネルギーの蓄積と有効活用。蓄電BEMSコントローラー、蓄電池およびパワーコンディショナーと電気をつくる太陽電池を組み合わせ、店舗コントローラーが策定した充放電計画に従って、電力の蓄積と放出を制御し、DCで稼動する機器(DC駆動ショーケース、充電ポール)およびACで稼動する機器(店舗内の機器)への電力供給を行う。
通常、電力会社から供給される電力がACであるのに対し、太陽光発電ではつくられる電力がDCであるため、電気を使用する設備においては一旦ACに変換する必要があり、この変換においてエネルギーのロスが発生してしまう。
今回の実証実験では、DCで稼動するショーケースを設置することで、蓄電池に貯められたDC電力を、ACに変換することなく稼動できるようにする。これにより、変換ロスをなくし、電力の有効活用を行う。
また、電力需給の特区である立地をいかし、蓄電池から電力系統への逆潮流の機能(蓄電池に貯めた余剰電力を電力会社に戻す機能)を付加しており、電力需給逼迫時の改善への効果の検証を行う予定。
4つ目は、車載蓄電池の小型化による燃費向上、およびコスト低減。商品を運ぶ集配車両(宅配便:冷蔵・冷凍庫付き)に蓄電池を搭載することで、停車中にアイドルストップしても冷蔵・冷凍庫の温度管理ができることを検証する。
また、店舗に充電ポールを設置し、基地である配送センターでの充電に加え、店舗での継ぎ足し充電が行えるようにすることで、車載蓄電池の小型化を図り、車両の燃費向上とコスト低減の可能性についても併せて検証する。
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