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- 2012/08/02 掲載
「ひとり情シス」がまず取り組むべきことは?IT兼任者が無視してはいけない「拠点の結合」
中堅・中小企業市場の解体新書
「ひとり情シス」とは何か?
以下のグラフは従業員数500人未満の企業に対し、「IT活用における管理/運用の人員規模」を尋ねた結果である。従業員数20人未満においては「ITの管理/運用を担当する社員は特に決まっておらず、その都度適切な社員が対応している」が7割に達している。従業員数20人という数字はサーバ導入(PCをサーバ代わりに利用しているのではなく、サーバOSを搭載したサーバ用途の機器の導入)の下限とも一致する。つまり、従業員数20人未満ではIT活用の度合いから見て、管理/運用の担当者を決める必要性が低いといえる。
その一方で、問題となるのは従業員数20人以上~500人未満の企業層だ。この規模になると何らかの業務システムが稼働しており、PCの台数という点から見ても1人でITの管理/運用をカバーすることは難しい。だが、グラフを見るとわかるように従業員数50人以上~100人未満では2割、従業員数20人以上~50人未満では3割の企業において「ITの管理/運用の担当者が1名」という状態となっている。
こうした1名のみのIT管理/運用担当者を指す言葉として、「ひとり情シス」というものがある。「情シス」とは「情報システム部門」を略したものだ。本来複数社員が存在するはずの情報システム部門と同等の役割を担いながらも1人しかいない状況を指して、このような言葉が使われるようになってきた。
ITの管理/運用が組織化されていないため、こうした「ひとり情シス」は社内だけでなく、社外に対しても相談できる相手がなかなかいない。「1人」ではなく「ひとり」と表記しているところに、そうした孤軍奮闘の実態が込められている。
以下のグラフは従業員数500人未満の企業に対し、「ひとり情シス」がIT管理/運用の業務以外に本来の職務を持っている割合を尋ねた結果である。
従業員数100人未満では半数以上が兼任となっている。「ひとり情シス」は1人であるだけでなく、本来の職務(総務、経理、人事、法務など)の傍らでITの管理/運用に奮闘していることがわかる。
【次ページ】忘れてはならないのは「拠点」という要素
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