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  • 2012/09/27 掲載

中堅・中小企業にクラウドは不要?本質を見抜き、活用するための3つの施策

ノークリサーチ連載:中堅・中小企業市場の解体新書

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真新しいITソリューションが登場した時、まず大きな期待と注目を集め、その後にその反動としてある程度の幻滅期が訪れる。しかし、そうした中でも導入実績は積み重なり、さほど声高に叫ばれなくなったころにようやく定着してくる。おそらく「クラウド」についても、この流れに沿った進化を遂げていくと予想されるが、中堅・中小企業におけるクラウド活用はちょうど幻滅期に入っていると思われる。だが、そうした時にこそ、クラウドの「何が問題なのか?」「今後はどう取り組んでいけば良いのか?」を整理し、今後に備えておくことが大切だ。

ノークリサーチ 岩上由高

ノークリサーチ 岩上由高

ノークリサーチ シニアアナリスト 博士(工学)
早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業などでIT製品及びビジネスの企画/開発/マネジメントに携わる。ノークリサーチでは多方面で培った経験を生かし、リサーチ/コンサル/執筆・講演など幅広い分野を担当。著書は「AdobeAIRの基本と実践」「クラウド大全(共著)」(日経BP刊)など。

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コスト削減への過剰な期待がもたらした結果としての幻滅期

 以下のグラフは年商500億円未満の中堅・企業に対し、クラウドの活用状況を尋ねた結果の経年変化を示したものである。2010年2月、2011年2月、2011年11月についてはクラウド全体の活用状況を尋ねている。

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クラウド活用状況の遷移

 直近の2012年6月については、クラウド活用の実績が少しずつ蓄積されてきた状況を受けて、下記のように分野を細かく分けて聞いている。

コラボレーション/顧客管理コラボレーション(メールやグループウェア)および顧客管理(SFAやCRM)のSaaS
基幹業務会計、人事/給与、販売/購買、生産、帳票、ビジネスインテリジェンスなどのSaaS
運用管理PC運用管理/セキュリティ、Webやメールのセキュリティ、仮想デスクトップ、バックアップなどのSaaS
基盤サービスPaaS(システム開発/運用の環境がサービスとして提供されているもの)や IaaS(ハードウェアやネットワークがあらかじめ用意されているデータセンタサービス)

 2010年2月の段階では「導入/利用を予定または検討している」と回答した企業の割合が32.3%に達している。しかし、2011年2月、2011年11月と時間が経過するにつれて割合は低下し、2012年6月の段階ではいずれの分野も10%程度に留まっている。まずはこうした変遷の背景を見ていくことにしよう。

 2010年時点の中堅・中小市場では、クラウド活用によって得られる効果として「コスト削減」に期待が集まっていた。これはメディアなどを通じて「クラウドを利用すれば、IT運用管理費用を削減できる」といったメッセージが数多く発信されたことが大きく影響している。

 しかし、既存のシステムをクラウドへ移行することによって、コスト削減効果を得ることはそれほど容易ではない。その要因としては大きく分けて以下の3点が挙げられる。

要因1「SaaS」に偏ったクラウド認識
要因2「コラボレーションや顧客管理」「基幹業務」に偏った対象システム
要因3「既存システムの入れ替え」に偏ったクラウド活用形態

[要因1]
 中堅・中小企業が「クラウド」という言葉から思い浮かべるITソリューションは「SaaS」に該当するものが多い。クラウドにはIaaS、PaaSといった他の形態もあるのだが、中堅・中小のユーザー企業にとっては具体的なアプリケーションの顔を持ったSaaSがわかりやすく、それを想起しやすいのは当然ともいえる。しかし、決められたアプリケーションをサービスとして提供するSaaSの枠組みに限定してしまうと、独自開発システムやパッケージをカスタマイズしたものをクラウドへ移行することは難しくなる。

[要因2]
 また、クラウド移行の検討対象としてはグループウェア、メール、CRM/SFAといった「コラボレーションや顧客管理」およびERP、会計、販売といった「基幹業務」といった日々の業務で目にする業務システムが挙げられることが多い。「コラボレーションや顧客管理」は企業ごとのカスタマイズが少なく、ASPのようにクラウドと類似した実績も多い。そのためクラウドへの移行が容易であると捉えられがちだ。

 しかし、クラウドへの移行時にアプリケーションが変更されてしまうと、ほぼ全社員が利用するグループウェアやメールでは「慣れ」に起因する障壁が生じやすい。日頃から使い慣れたユーザーインターフェースが変わってしまうと、個々の社員がそれについていけなくなる。結果的に運用/管理の負担が増大することになるわけだ。一方、「基幹業務」では中堅・中小企業においても個別カスタマイズを施すケースが少なくないため、前述のようにSaaSの枠内では対応が難しくなる。

[要因3]
 冒頭にも述べたようにクラウドへの期待は「既存システムをクラウドへ移行することでコスト削減効果が得られる」といった観点から高まっていった。だが、既に稼働しているシステムを移行することは容易ではない。既存システムと移行先との相違点を一つ一つ埋めていく必要がある。「所有から利用へ」というクラウドの特徴が「手軽に移行できる」といったニュアンスで伝わってしまった感もある。だがクラウドに限らず、既存のシステムを移行するという作業はともすればまったく新しいシステムをゼロから構築するよりも難しいことがある。

 このように『SaaSの枠内でコラボレーション/顧客管理や基幹業務といった既存のシステムをクラウドへ移行することでコスト削減効果を得る』という取り組みを成功させるのは容易ではない。クラウド活用を検討する過程の中で、そのことを中堅・中小企業の多くが実感することとなった。これが2011年から2012年までの間に「導入/利用を予定または検討している」という回答割合が減少していった背景である。

【次ページ】クラウドの本質を見抜き、活用するための3つの施策

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Amazon DynamoDBとは何かをわかりやすく図解、どう使う?テーブル設計の方法とは

非常にわかりやすくまとまった良い記事ですが、技術的な誤りがあるので指摘させていただきます。

こちらについては恐らくDynamo論文(Dynamo: Amazon's Highly Available Key-value Store)を参考に記述されていると思われますが、Dynamo論文で説明されているDynamoと、今AWSで提供されているDynamoDBは名前を引き継いでいるだけで全く別のDBMSです。
DynamoDBはDynamoやSimpleDBS3、S3の知見をもとに開発されています。
https://www.allthingsdistributed.com/2012/01/amazon-dynamodb.html

今年公開されたDynamoDBの論文に記述がある通り、Multi-Paxosでリーダーの選出、合意形成を行う仕組みであり、leader replicaのみが書き込みを受け付けます。
(つまりパーティション単位に単一障害点が存在します)
https://assets.amazon.science/33/9d/b77f13fe49a798ece85cf3f9be6d/amazon-dynamodb-a-scalable-predictably-performant-and-fully-managed-nosql-database-service.pdf
> The replication group uses Multi-Paxos [14] for leader election and consensus. Any replica can trigger a round of the election. Once elected leader, a replica can maintain leadership as long as it periodically renews its leadership lease.
>Only the leader replica can serve write and strongly consistent read requests. Upon receiving a write request, the leader of the replication group for the key being written generates a write-ahead log record and sends it to its peer (replicas).

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