アベノミクスで不動産市場が活気づいている。消費増税に加えて、金利の先高予測、そして2020年の東京オリンピック招致決定もこうした動きを後押ししていると言えそうだ。また、不動産市場の回復に加えて、東日本大震災以降は省エネ住宅(スマートハウス)関連も盛り上がりを見せており、日本の建材・住宅設備機器業界はその恩恵をこうむっている。
こうした中、9月27日に建材・住宅設備機器の総合メーカーであるLIXILグループがドイツの住宅設備機器大手グローエを買収することを発表した。買収は2014年前半に完了する予定で、買収総額は約29億ユーロ(約3,800億円)にのぼる。LIXILグループは、8月にもアメリカの衛生陶器最大手アメリカンスタンダードの買収を発表しており、北米市場に本格進出を決めている。
LIXILグループは、2001年にトステムとINAXが合併し、2004年に社名変更を行った住生活グループがその母体。2009年には新日軽も傘下に加え、2012年に社名が現在のLIXILグループとなった。建材や住宅設備機器など、住生活産業に関わる子会社232社、関連会社91社を傘下に持つ。2010年には、プロ野球の横浜ベイスターズ買収に名乗りを上げたことでも話題となった(買収は断念)。
LIXILグループに代表されるように、Construction Materials(建材・住宅設備機器)業界では日本企業による海外展開が積極的に推し進められるようになっている。LIXILグループの他にも、旭硝子、ダイキン工業、太平洋セメントといった日本企業が、世界市場の中で存在感を示している。
世界の建材・住宅設備機器 業界ランキング
もっとも、それでも世界全体でみれば業界の売上高ランキング上位には欧州勢が目立つ。以下が世界の建材・住宅設備機器 業界ランキングだ。