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- 2014/03/10 掲載
孫正義氏とジェフ・ベゾスの成功に共通する「沈鬱遅鈍」の思考法
急速な成長を目指す一方で、事前調査には時間をかける
目指すのは小さな仕事ではない。「5年で100億円、10年で500億円、いずれは数兆円規模の会社にしてみせる」と、ユニソン・ワールドのアルバイトに熱く語っていた。
急速な成長を目指す一方で、なぜ事前調査に時間をかけるのか。理由をこう話している。
「問題はどの土俵を選ぶかだ。一度選んだら、これから何十年も闘わねばならないのだ。その土俵選びのためなら、1年かけても2年かけてもいい」
規模の小さい、手っ取り早い仕事を選べば、たやすく成功するかもしれないが、それでは10年先、20年先に頭打ちになる。それよりもしっかりと時間をかけて大きく育つ可能性のある業種を選び、自分の知恵と才覚で日本一にしてみせる、というのが孫氏の考え方だった。
土俵を選ぶための条件を25項目挙げ、40もの事業アイデアについて、1年半もの時間をかけて比較検討した結果選んだのがパソコンソフトの卸ビジネスだった。
実はアマゾンの創業者ジェフ・ベゾスも似たような過程を経て起業に至っている。1994年、インターネットの爆発的な成長に気づいたベゾスはネットで販売するには何が適しているかを考え始めた。
20の候補を挙げてさまざまな角度から検討した結果、最適と考えたのが「本」であり、そこから1年近い準備期間を経てサービスを本格的に開始している。
孫氏と同様に急速な成長を目指す一方で、「何を売るか」「どこで起業するか」にはいつもたっぷりの時間をかけて検討している。
【次ページ】なぜ実行前に時間をかけてとことん検討するのか
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