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- 2015/04/22 掲載
東南アジアのゲーム市場に注目 特殊な市場環境下でマネタイズモデルを確立できるか?
東南アジア市場のゲームダウンロード数は韓国市場の3倍
今回調査が行われたのは東南アジア11カ国。さらにインドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム、タイの5カ国は詳細な調査も行われた。アプリ市場として世界トップクラスである韓国と比較すると、2014年12月のゲームダウンロード数は5カ国合計で韓国の3倍。特にインドネシアが韓国の約90%、タイが約70%と東南アジア市場を牽引していることが読み取れる。
東南アジア全体で見ると2014年12月の収益は前年同月比75%増、ダウンロード数は同40%増という驚異的な数字を記録している。
ゲームアプリはスマートフォンアプリの中でも大きな割合を占め、2014年12月にはApple StoreとGoogle Playの世界の合計収益がアプリ全体の約80%に達した。同じくダウンロード数も40%を占め、ゲームアプリはアプリ市場において主要なコンテンツと言える。特に日本、中国、韓国の3カ国においてはゲームアプリによる収益が90%を超え、アジア市場でのゲームアプリの存在感には目を見張るものがある。
ただ、最も多いインドネシアの約90%に対して最も低いベトナムは50%を下回っている。東南アジアでもこのような差が出るのは経済的諸指標の発展遅れが原因と見られ、ダウンロード数ではマレーシアの1.5倍以上のインドネシアも、収益額ではマレーシアに抜かれている。このことからインドネシアやベトナムは5カ国内でも比較的未成熟の市場であり、今後急激な発展が起きることが予想され、パブリッシャーが注目する要因となっている。
東南アジア市場での収益額は依然低く、成長の余地を多く残す
5カ国合計の収益額でも韓国の約25%と、ダウンロード数とは異なる様相を見せている。これは、東南アジアに進出するパブリッシャーが間接的なマネタイゼーション戦略を採用しており、アプリストアを介した収益が全体収益の一部でしかないからだ。しかし一方で成長の余地を多く残していることに変わりはなく、現在のダウンロード数と収益額は釣り合いが取れていないといえるだろう。
このことから5カ国では今後数年間の内に魅力的な市場に成長する可能性は高く、早期の進出を目指すパブリッシャーも多い。
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