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  • 2011/10/28

関西流ベタベタIT商法の挑戦80~オンリーワンを貫いてナンバーワン企業になる

合同会社 関西商魂 代表 中森勇人

MOTTAINAIの流行語を世界に広めたノーベル平和賞受賞者、ワンガリ・マータイさんがこの9月、急逝した。彼女の「もったいない」精神は大阪商人の十八番「しぶちん=ケチ」精神と相通ずるものがある。

中森勇人

中森勇人

合同会社 関西商魂
代表

「食べてしまえばおいしいし、ゴミにもならへん。最強のリサイクルですわ」と話すのは大阪市中央区に本社を構える木村アルミ箔株式会社の木村裕一社長(60)。大阪産海苔を原料にしたおかずケース「海苔カップ(24枚入り420円)」を開発し、究極のエコ商品として業界やマスコミ関係者の注目を浴びている。

ロールケーキで「まちおこし」

 同社は昭和5年に日本初のアルミ箔の専門問屋として創業。チョコレート包装紙の加工を皮切りにアルミ箔製のホイルケースや樹脂製のフィルムカップを手がけてきた。22年前には電子レンジ対応の惣菜ケースを開発し、コンビニ弁当でシェア100%のトップ企業に躍り出た。

 しかし、安価な中国製品の台頭でトップの座が危ぶまれることに。当時のことを木村社長は、「うちの家訓は『よそとちゃうことせなあかん』です。その原点に立ち返り、中国ではできない徹底的な品質管理に乗り出すことにしました」と振り返る。

 困難に直面してもタダでは起きないのが大阪商人。このピンチをバネにして平成13年にISO9001・2000(品質マネジメントシステム)を認証取得、平成18年にはISO22000・2005(食品安全マネジメントシステム)を認証取得した。

 そのころ世間では食品偽装問題が浮上し、食品業界への不信感が蔓延している時期だった。「それやったら世界一安全な食品容器を作ろやないか、と全自動化のクリーン工場を立ち上げ、同時に食の安全を検証するために『きむら菓子製作所』を設立したのです。効果は覿面で、容器を使う立場から衛生面や作業効率を考えるようになり、他社が思いつかないヒット商品を世に出すことになりました」と語る木村社長。その一つが「ぴたっとシート」。これをばんじゅう(薄型の搬送容器)やサービス箱の下に敷くと45度傾けても滑らない。高価なケーキも滑らせてぶつけてしまえば廃棄処分。これがもったいない、と今や洋菓子店では欠かせない一品となっている。

 さらにこの商品には、しぶちん精神が宿っている。敷物としてだけでなく巻き簾のようにロールケーキを巻く際の滑り止めとしても使えるのだ。

 そして極めつけは商品開発に一役買ったロールケーキ。本社の近くにある神社とコラボして「巽神社ロール」として発売したところ美味しいと話題になり、大阪各地から「うちのも作って欲しい」と声がかかるようになる。第二弾の「千日前ロール」や第三弾の「高津宮・氏子ロール」などを企画販売したところ評判が高まり、まちおこしの切り札として橋下徹知事イチオシの「OSAKAミュージアム構想」企業タイアップにも参加している。

 最近では菓子メーカーへのOEM供給やマール・ド・シャンパーニュを使った高級ブランデーケーキ(5,250円)を販売するなど、新しい事業展開へと広がりを見せている。

「今後は昆布や可食シートを使った美味しく食べられてゴミにならない容器の開発に力を入れていきます。食の安全も環境問題への取り組みもまちおこしも誰かがやらないとアカン。最初はソンをしても儲けは後からやって来るもんですわ」と意気込む木村社長。

もったいないを商売に取り入れないのは「もったいない」、これがしぶちん精神の極意なのである。



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