- 2010/10/27 掲載
関西流ベタベタIT商法の挑戦69~地元に根付いて夢のマイホームを低価格で販売
合同会社 関西商魂 代表 中森勇人
「決め手は間取りと区割りです。例えば部屋の大きさを一律にするのではなく、家族の集まるリビングはゆったりと、主寝室は広く、子供部屋は最小限といった、お客様のライフスタイルに合わせた間取りに設定し、好評をいただいています。区割りについては道路が狭い、奥まったといった、少し難がある土地を安く仕入れ、区画整理をすることで再生し低価格販売を実現しています。まあ、身はしっかり詰まっているけど足が一本取れてしまったから安くなったカニをうまく料理するようなものです。土地の広さは都市部なら80㎡、郊外なら100㎡というのも売れ筋の条件ですね」
例えば関西の北摂エリアの分譲では数軒分の土地を仕入れ、8区画に整備して販売。2週間で完売したという実績を持つ。他にも異型の土地や使い勝手の悪い土地もレイアウトを変えることで見事に蘇らせる。
地元密着で信用を得る
中田社長が起業をしたのは6年前。不動産業界は18年目というベテランだ。サラリーマン時代から「いつかは起業するぞ」と不動産販売のノウハウを身につけ、尼崎周辺の物件にこだわり土地勘や住民のニーズを研究し続けてきた。扱う地域を限定することについて中田社長は、「不動産は生ものです。鮮度が落ちると売れ残り、固定費の増大や値引きを強いられてしまいます。だから、再生の可能性がある土地があればすぐに試算し、収容する。産地直送の素材(土地)を料理し、創作料理として提供するような感じですね。鮮度が良くて味がうまければ、店は繁盛します。同じように弊社の場合、土地を見つけてから購入するまで長くても1週間以内におこないます。従業員5人の小さな所帯なので地域を絞り込むことでこのスピードを実現するわけです」と語る。
地元密着のメリットは他にもある。10年以上前に中田社長から家を買った顧客が「うちの息子も世話になりたいから」とハウスを訪れたり、親戚や友人などを紹介してくれるなど、リピータも多い。研ぎ澄まされた土地勘から土地を一瞥しただけで、どのような間取りにして区割りにすれば売れるのがわかる。これは大手には真似のできないことだろう。
土地の購入、企画から販売までを自社でおこない中間マージンをカット。営業はネット販売で知名度が高いyahoo不動産やリクルートのsuumoをフル活用し、自社のホームページは会社案内だけに絞り込むことで効率的なコスト削減を計る。社長自らが営業の先頭に立ち、取り扱い物件の全てを統括。品質管理、アフターサービスにも余念がない。
自らを「生涯一営業」と言い切る中田社長は販売戸数の10倍以上の土地を地回りで調査し、購入のための交渉や購入希望のチラシのポスティングも地道におこなっている。「人生で一番高価な買い物になるわけですから手抜きは許されません。これからも地元の人に頼りにされる不動産屋になるように頑張ります」と語る中田社長。数年後には年商30億円を目指します、と語る声は明るい。
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