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  • 2013/12/16 掲載

2014年のインシデント傾向から大予測、ネット上での匿名化は進む?進まない?

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2013年11月25日、シマンテックのセキュリティブログ上に「シマンテックによる2014年の予測」と題されたエントリーが公開された。このインシデント傾向予測は、セキュリティベンダーや各種団体が公開している10大ニュースと並んで、業界では毎年恒例といえるものだ。今回、予測のひとつに「人々はよりプライバシーに関心を示し、行動パターンを変えるかもしれない。」との記述があり、興味深い動きだと思うので掘り下げてみたい。

執筆:フリーランスライター 中尾真二

執筆:フリーランスライター 中尾真二

フリーランスライター、エディター。アスキーの書籍編集から、オライリー・ジャパンを経て、翻訳や執筆、取材などを紙、Webを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは言わなかったが)はUUCPのころから使っている。

世界的なプライバシー意識の高まり

 シマンテックのブログでは、2014年のインシデント動向として以下の4つを挙げている。

(1)人々がようやく、個人情報の保護に積極的な対策を講じるようになる
(2)どんなにニッチで目立たないソーシャルネットワークでも、詐欺師やデータ収集者、サイバー犯罪者のターゲットとなる
(3)「モノのインターネット」が「脆弱性のインターネット」になる
(4)モバイルアプリによって「いいね」を自分で過剰に稼ぐようになる

 今回は、4つのうち最もユーザーに関わりが深く、かつ影響範囲が広いと思われる(1)で指摘する点について、詳しく取り上げたい。

連載一覧
 2013年春から秋にかけて、世界中では米国NSAによる同盟国を含む各国政府機関や要人の盗聴、通信事業者プロバイダーへの情報提供要請などのスキャンダルが駆け巡り、多くの人の関心を呼んだ。

 アメリカでは911以降、テロとの戦いという大義があれば、国民もプライバシーや人権に対するハードルを下げる傾向があるが、それでも改めて政府や企業が収集している情報の扱いを考えるようになった。

 シマンテックのブログによれば「2013年は、人々にプライバシーや個人情報へ新たに注意喚起され、企業は製品やサービスのプライバシー保護機能を強化して対策を講じてきた。2014年になると、これらの機能は効果についての議論や検証が行われ、ユーザーによってはインターネット利用において、Torの利用や匿名性確保の優先度を上げる動きがあるかもしれない」との見解を示している。

「だれとでもつながる」から「相手を選別する」インターネットへ

 この予測が当たるかどうかはわからないが、シナリオとしては十分起こり得るものだろう。

 現在、ビッグデータ活用はグローバルなトレンドとして拡大、定着しつつある。同時に各国で、自分のデータを収集されない権利、保存されない権利という議論も沸き起こっており、プライバシー保護機能の有無がソフトウェアやサービスの差別化ポイントとなっている面もある。

 大手セキュリティベンダー各社も、履歴削除やプライバシー情報の送出検出機能など強化したセキュリティソフトの機能を相次いで発表している。

 しかも、このブログでは、このようなプライバシー保護に関心を持つのは10代の若者だとも述べている。彼らの中で、インターネットは匿名で利用するほうが安全であるという意識が広まればどうなるだろうか。

 Facebookの市場が示すように、現状のインターネットは、匿名だが全世界だれとでもつながるネットワークから、実名で限られた人とつながるコミュニティとしての様相を濃くしている。これが再び匿名重視の世界に戻るかもしれない。

 その兆候としては、LINEの市場拡大が考えられないだろうか。LINEは公開当初は電話番号(スマートフォン)と紐づいてダイレクトコミュニケーションを楽しむツールだが、現在はソーシャル的なメッセージ交換がメインとなり、ID検索禁止など匿名性を強化する機能が追加されてきている。ユーザーはインターネットにおいて再び匿名を意識しだしているかもしれない。

【次ページ】匿名性の広がりが、ビッグデータの信頼性を揺るがす

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