開閉ボタン
ユーザーメニュー
ユーザーメニューコンテンツ
ログイン

  • 会員限定
  • 2011/09/05

テレマティクスとは何か?クルマのIT化を推進する基盤技術の基本を知る

キーワードは「スマートフォン」と「クラウド」

テレマティクス(telematics)とは、自動車に搭載するネット接続が可能な端末を使って、交通情報や天気、ニュースといったさまざまな情報(コンテンツ)を利用できるようにする情報サービス、または、システム全般を指す言葉だ。トヨタ自動車や本田技研工業、日産自動車では独自のサービスを既に開始しているが、それ以外にも物流における、燃費や荷物の到着時刻予定などの情報を共有できる業務用テレマティクスなども開発されている。1990年代後半から取り組みが始まったテレマティクスが急速に注目を集めている背景にあるのが「スマートフォン」と「クラウド」だ。ここでは最新のスマートフォンとテレマティクスの基本と現在の状況をまとめるとともに、これからの可能性について見ていくことにしよう。

池田冬彦

池田冬彦

AeroVision
富士総合研究所(現みずほ情報総研)のSEを経て、出版業界に転身。1993年からフリーランスライターとして独立しAeroVisionを設立。以来、IT系雑誌、単行本、Web系ニュースサイトの取材・執筆やテクニカル記事、IT技術解説記事の執筆、および、情報提供などを業務とする。主な著書に『これならできるVPNの本』(技術評論社、2007年7月)、『新米&シロウト管理者のためのネットワークQ&A』(ラトルズ、2006年5月)など多数。

意外に古い、テレマティクスの歴史

製造業関連記事一覧
 テレマティクスとは、ひと言で言えば「自動車のIT化」にかかる、さまざまな技術やサービス全般を指す言葉だ。国土交通省が推進している「ITS(Intelligent Transport Systems)」のサービスや、自動車会社が提供する各種サービスなど、さまざまなサービスが実用化されている。

 そもそも、テレマティクスの元祖と言えるものは、政府主導で進められた「ATIS(アティス)」「VICS(ヴィクス)」に端を発する。ATISは95年にサービスを開始したもので、東京都などが出資する第3セクターの「交通情報サービス」によって運営され、主に警視庁からの交通情報を配信し、ATIS対応車載端末(カーナビ)で受信する仕組みだった。現在、ATISは携帯電話向け、パソコン向けに情報配信を行っている。

 一方、96年からサービスを開始したVICSは、国土交通省が推進する「ITS(高度道路交通システム」構想の柱の1つとして発展を遂げた。道路の渋滞情報や所要時間に関する情報や事故、故障車、工事などの規制情報などをFM多重放送、高速道路の電波ビーコン、一般道の光ビーコンによって配信し、これをカーナビなどの車載機で受信・画面表示する仕組みだ。今では、VICSは交通情報提供サービスの代名詞としても広く普及している。

 さらに、「ETC」の普及も政府のITS事業の成果の1つと言える。ETCは有料道路の料金所でキャッシュレスで料金を支払うための仕組みであり、今では全国の高速道路、主要な有料道路のほとんどがETC対応となっている。

画像
VICSの仕組み。車内ではVICSのデータは車内のカーナビの画面上に表示される

 このような政府主導型のテレマティクスとは別に、民間主導型のテレマティクスが登場するのは1997年のことだ。トヨタ自動車の「MONET(モネ)」、日産自動車の「コンパスリンク」、本田技研工業の「インターナビ」など、さまざまなテレマティクスサービスが立ち上がり、サービスを開始した。

 これらのうち「MONET」は2002年に「G-BOOK」という新しいサービスにリニューアルされ、「コンパスリンク」は「カーウィングス」というサービスにアップデートされ、現在に至っている。これらのサービスは次第に利用者数を伸ばし、次第にテレマティクスの市場は民間主導に移行していった。

現在提供されている、主なテレマティクスサービス
サービス名開発会社種別提供先
G-BOOKトヨタ自動車乗用車向けトヨタ自動車、ダイハツ工業、富士重工業、マツダ
カーウィングス日産自動車乗用車向け日産自動車、三洋電機(ポータブルナビ)
インターナビ本田技研工業乗用車向け本田技研工業
みまもりくんいすゞ自動車商用車向け汎用(いすゞその他の対応商用車)
インターナビ・ビズ本田技研工業商用車向け本田技研工業


【次ページ】携帯電話の3G回線でセンターと通信

LTE・WiMAX・Wi-Fi・モバイル通信網 ジャンルのトピックス

LTE・WiMAX・Wi-Fi・モバイル通信網 ジャンルのIT導入支援情報

PR

ビジネス+IT 会員登録で、会員限定コンテンツやメルマガを購読可能、スペシャルセミナーにもご招待!