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  • 2012/07/30

3社の事例からみる「O2O」成功の秘訣、集客「数」以上に求められるものとは

シームレスな連携でO2O2Oへの流れも

インターネット(オンライン)上の活動と、実際の店舗(オフライン)上の活動を結びつける「O2O(オンライン・ツー・オフライン)」について、これまでも何度か取り上げてきた。オンラインとオフラインを結びつけようという動きそのものは、これまでも多くの企業が取り組んできたが、決定的に異なるポイントもある。今回は、グルーポン・ジャパン、リクルート、ぐるなびと、O2Oが話題になる前からリアルとネットを掛け合わせた取り組みを行う3社の事例から、今後のO2Oに求められる要素と成功の秘訣を探ろう。

TIプランニング代表取締役 池谷 貴

TIプランニング代表取締役 池谷 貴

編集などの仕事を経て、カード業界誌の版元において、雑誌編集、プランニング、セミナー、展示会などの運営に携わる。電子決済、PCI DSS/カードセキュリティ、ICカード、ICタグなどのガイドブック制作を統括。2009年11月にマーケティング、カード・電子決済、IT・通信サービスなどのコンサルティング、調査レポート・書籍の発行、セミナー運営、ポータルサイト「payment navi(ペイメントナビ)」「PAYMENT WORLD(ペイメントワールド)」などのサービスを手掛けるTIプランニングを設立した。

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グルーポン:2年弱でクーポン1,000万枚を販売、日本市場の余地は十分

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海外製品・サービスのクーポン販売を行う「インターナショナル・ディール」の一例。タイのリゾートホテルに宿泊できるクーポンなどが販売された。
 国内において、実際の店舗とインターネットを結びつける「O2O」の取り組みが注目を集めるようになった1つのきっかけに、「クーポン共同購入サイト」が挙げられるだろう。

 その代表企業であるグルーポン・ジャパンが展開する「GROUPON(グルーポン)」だ。一瞬にして高い集客力を実現する同社の仕組みは「フラッシュマーケティング」などと呼ばれ、2012年3月には1年9カ月という異例のスピードでクーポン総数1,000万枚を販売するに至った。

 グルーポン・ジャパン 経営企画室 広報・渉外グループ マネージャー 村松康孝氏は「ただ単に掲載企業数を増やすのではなく、質の高い商品・サービスにこだわっています」と自信を見せる。世界48カ国で展開するグローバル・ネットワークを活かし、ある国で多くの顧客から支持された良質なサービスや商品については、国を越えて連携し、他国でも提供している。2012年6月から国内でも展開を開始した「インターナショナル・ディール」では、タイにある高級リゾートホテルの宿泊料を格安で提供するクーポンサービスを展開している。

 また、国内向けでは、顧客とリアルな接点が多い企業との提携にも力を入れている。KDDIをはじめ、JAL、ベネフィット・ワン、クレディセゾンなど、特定の分野に強みを持つ企業と連携することで、これまでアプローチできていなかったユーザーに訴求が可能となった。たとえば、KDDIとは、auポイントプログラムで貯めたauポイントを使って、グルーポンのクーポンが購入できるといった具合だ。

 また、2011年5月から、米国・グルーポン社が提供している時間限定のクーポンサービス「Groupon Now!(グルーポンナウ!)」を東京の渋谷・原宿限定でスタート。同サービスは、店舗が集客したい時間にリアルタイムにクーポンを配信でき、利用者は、スマートフォンなどを利用して、周辺の店舗を検索できる(関連リンク:スマートフォン連動の“超リアルタイムクーポン”で次の段階に進むグルーポン)。

 現在、国内でもクーポン共同購入サイトの市場は拡大しているが、同社によれば、米国と比較するとまだ約6倍の開きがあるという。今後、日本市場の拡大の余地は十分にあるとしている。

リクルート:スマートフォン登場で大きく変化、メディア横断型が一定の成果

 リクルートでは、「ホットペッパー」、「ホットペッパービューティー」、「じゃらん」、「ポンパレ」などグルメ、エステ、旅行など複数にまたがる情報サイトや情報誌を展開しており、リアル数万店舗の加盟店と接点を持っている。

 もともとフリーペーパーや市販誌を中心とした紙媒体を中心に展開してきた同社のビジネスだが、ユーザーからのアクション総量はインターネット経由のほうが多くなっているそうだ。同社のメディアを利用するスマートフォンユーザーは爆発的に伸びており、市場全体の伸びと比べてもアクション数はさらに高くなっているという。

 リクルート カスタマーアクションプラットフォームカンパニー ネットビジネス推進室 シニアマネージャーの牛田圭一氏は、スマートフォンの登場が大きな変化につながったと指摘する。

「GPS(位置情報機能)を搭載し、専用アプリケーションを提供できるスマートフォンの登場により、検索から行動までの時間が短くなっていると感じています。PCの場合、予約する店舗のエリアを決めてからピックアップする方法が一般的ですが、スマートフォンは現在地の周辺で探し、Facebookの『いいね!』の数が多いなどのレコメンドで選ぶ傾向が見受けられます。たとえば、ホットペッパーの飲食店検索でも、近くにある、現在空いている店舗の情報を取得したいというニーズが高まっています。」(牛田氏)

 一方で、街頭に設置された無料の情報誌を閲覧した後、インターネットでクーポンを取得し、それから店舗に戻る「O2O2O(オフライン・ツー・オンライン・ツー・オフライン)」の動線を辿る人も多い。同社では、目視での認知も含め、紙媒体の力は決して衰えていないと感じており、今後も双方の強みを生かした展開を行う方針だ。

 また、リクルートでは、数千万単位の会員データベースを有しており、各メディアを横断した展開により、顧客の継続利用を促している。すでにホットペッパー グルメでも、“今日使えるグルメクーポン”を掲載するなど、連携した取り組みを展開。ユーザーのアクションにも手応えを感じているという。

 合わせて、同社ではそれぞれの媒体が持つデータベースを1つに集約したクーポン&周辺スポット情報を検索できるスマートフォン向けのアプリ「RecoCheck(レコチェック)」を2011年2月からスタートしており、位置情報を中心に活用されているそうだ。

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リクルートの提供するスマートフォン向けアプリ「RecoCheck」。現在地近くのジャンル検索をワンタップで表示できる地図表示機能を備えている(右)

 また、各ブランドおススメのファッションアイテムにチェックインするだけでポイントがもらえるスマートフォンアプリ「ショプリエ(Shoplier)」を新宿のルミネなどで展開している。ユーザーは、ショプリエで対象商品のバーコードを読み込むと、仮想通貨「プリエ」が貯まり、貯まった数に応じて対象店舗で利用できる割引チケットと引き換えが可能となっている。

 今後は、新技術で顧客に受け入れられるシステムは積極的に取り入れるとともに、決済との連携も視野に入れる。すでにホットペッパーでは音声認識システムを導入しているが、「技術の進歩とユーザーの利用の頻度の中で、タイムラインに合わせて導入する方針です」と牛田氏は話す。

【次ページ】「O2O」成功の秘訣とは?

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