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  • 2012/03/08 掲載

ユニクロ、無印良品、イオン、百貨店それぞれの新興国戦略とは

「流通大航海時代」が到来!

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今後の経済成長をリードするアジアの新興国市場へのアプローチが小売業でも活発化している。まさに流通大航海時代が訪れようとしている。グローバルに戦うには強靭なビジネスモデルが必要で、小売の特性である現地のローカルマーケットへのきめこまかい対応も求められる。新興国の流通近代化の役割を果たしながら、みずからの経営革新の好機でもある。海外事業の比重は確実に高まり、小売市場では海外の重要性が増すことになろう。

ラディック 代表取締役 西川立一

ラディック 代表取締役 西川立一

流通ジャーナリスト。慶応義塾大学卒業。スーパー西友で店舗営業、販促、広報業務に携わり、無印良品プロジェクト、セゾングループ広報などを手がける。1988年、ラディックを設立。販促・広報、マーケティングのコンサルティング業務を手がける一方、日経新聞、日経流通新聞(日経MJ)、日経ビジネス、週刊ダイヤモンド、販売革新、商業界など新聞・雑誌に、取材・執筆。月刊コンビニに、「流通ニュースクリップ」を連載中。著書は「ルミネの法則」、「ゆめタウン勝利の方程式」、「イオンの底力」など。近著は「新幹線全線開通で塗り替わる 九州流通業界最新勢力図」(2011年9月刊)

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 国内の消費市場が人口減少によりシュリンクしていくなかで、海外に目を転じると、中国は13億5300万人、インドは11億人9800万人と、いずれも日本の人口の約10倍、ASEAN諸国も約6億人と巨大なマーケットが存在している。しかもアジアでは2020年に消費の中核となる中間所得者が20億人と倍増し、小売の市場規模は200兆円に増えると予測される。

 アジアの新興国の成長を取り込むことが企業に求められており、ドメスティックな側面が強かった日本の小売業も近年は次々海外に活路を求めて進出している。オーバーストアで競争が激しい国内から、成長が期待できる新天地の海外へ、「流通大航海時代」が幕を開けようとしている。

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主要小売業の海外売上高比率

世界標準で事業を展開するユニクロと無印良品

 有力チェーンでもっともグローバル化を打ち出しているのが、2020年に売上高5兆円・経常利益1兆円で世界№1のアパレル製造小売(SPA)を目指す「ユニクロ」のファーストリテイリングだ。

 「アジアのゴールドラッシュをめざして突き進む」という柳井正会長兼社長の大号令のもと、中国からインドまでの地域を最大の成長機会と位置付け、今年から中国、上海、シンガポールに地域本部を設けている。アジアでは中国とASEANそれぞれで年間100店舗、韓国で50店舗、台湾30店舗を出店し、中韓では数年で1,000億円規模に、中国では最終的に1兆円の売上を目指す。ASEANではすでにシンガポール、マレーシア、タイに進出し、2012年6月にはフィリピンにも出店予定で、インドネシア、ベトナム、インド、オーストラリア展開も視野に入れている。

 同社の海外事業のスタンスは、世界を同一市場ととらえ、ユニクロのブランディング戦略を進めながら、世界中の人たちに機能性と普遍的なデザインの商品を提供していこうというものだ。H&MやZARAといった世界の有力SPAとグローバルで戦うなかで、アジアを主戦場とみなし、あくまでも世界標準で戦いに挑む。

 こうした取り組みはグローバル展開に積極的な良品計画でも同様で、グローバルレベルで差異化できる「無印良品」のコンセプトを武器に、世界各国で店舗網を拡大しようとしている。2010年度の海外出店の約7割はアジアで、フィリピンにも進出、12年春にはシンガポールに物流拠点を設け、14年度中にマレーシア、オーストリアに出店、インドでは100店の展開が可能と考えている。

 このように、国内外の市場で同一条件でグローバルに事業を展開可能な企業は、さらにビジネスモデルをブラッシュアップしていけば成功する確率が高いといえよう。

【次ページ】イオンの海外展開手法とは

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